芸術作品が楽しめるVR美術館7選|新しい美術体験の特徴を紹介
VRはさまざまな業界で浸透してきていますが、そのなかでも美術作品を観賞できる「VR美術館」が増えてきています。
一方でVR美術館がどのようなものか、従来の美術館とどのように違うのか分からない方もいるでしょう。
そこで本記事では、VR美術館の特徴を8つ解説します。
おすすめのVR美術館も7カ所紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
VR美術館とは?8つの特徴
VR美術館とは、バーチャルリアリティ(VR)技術を使って仮想空間上に美術館を作成したり、3DVRパノラマ撮影をして美術館をつくったりしたもののことです。
一般的には、以下2つのカテゴリがあります。
- 実際にある美術館がホームページなどで提供
- 仮想空間に美術館を新しくつくり提供
実際の美術館を3Dパノラマ撮影して提供するものの場合、実際の美術館で展示してある美術品を見て回れます。
仮想空間につくった美術館は、メタバースのような仮想空間に美術館をつくり、作品を展示していきます。
そのほかVR上にある美術作品をまとめて展示しているプラットフォームなどもあり、世界の美術作品も鑑賞できるのがポイントです。
VR美術館は徐々に世間に浸透しつつあり、新しい芸術鑑賞の方法として注目を浴びています。
一方でVR美術館には、どのような特徴があるか分からない方もいるでしょう。
ここからはVR美術館の特徴を8つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
従来の美術館との違い
従来の美術館とVR美術館は、さまざまな点で異なります。
まず従来の美術館の場合、実際に足を運んで展示室のなかに入り作品を鑑賞します。
作品の色、質感など五感を使って鑑賞できますが、開館時間や場所によって鑑賞できる時間に制限があるのがポイントです。
一方VR美術館の場合、スマートフォンなどのデバイスを使用し仮想空間に作られた美術館を体験できます。
作品を拡大したり360度回転させたり、作品の中に飛び込んだりするような体験もできます。
VR美術館も従来の美術館も良いポイントがあり、個々によって好みは異なります。
従来の美術館でのみ鑑賞したことがあるのであれば、一度VR美術館を体験してみるのもよいでしょう。
いつでも鑑賞できる
VR美術館は物理的な距離の制限がなく、24時間365日アクセスできます。
従来の美術館は開館時間が決まっていますが、VR美術館は仮想空間のため、いつでも鑑賞ができるのです。
寝る前など深夜でも出勤時の早朝でも、自分の好きな時間に鑑賞できます。
また、スマートフォンやパソコンなどのデバイスがあればどこでも体験ができます。
自宅、カフェ、移動中など、好きなタイミングで海外の美術館であっても鑑賞できるので、従来の美術館よりも手軽なのが魅力でしょう。
会話をしながらの鑑賞も可能
VR美術館は、単に作品を鑑賞するだけでなく、他の鑑賞者とコミュニケーションを取りながら、より深く作品に触れることができるという特徴があります。
前述したとおり物理的な距離がないため、世界中の鑑賞者と、まるで同じ空間にいるかのように会話しながら鑑賞が可能です。
コミュニケーション方法も、テキストチャットや音声チャットのほか、アバターを活用してジェスチャーすることもできます。
またガイド付き鑑賞などを提供していることもあり、より深く芸術を観賞できるのも魅力です。
通常の美術館では、できるだけ私語を控え静かに鑑賞するものです。
しかしVR美術館であれば、周りを気にすることなく会話をしながら楽しく鑑賞できるでしょう。
ウォークスルー機能で自由に動ける
VR美術館のウォークスルー機能は、現実の美術館を歩いているかのような体験ができる機能です。
展示室を自由に歩き回り自分のペースで作品鑑賞ができるほか、作品を正面からだけでなく、側面や背面など、さまざまな角度から観察できます。
さらに作品を拡大して細部まで観察したり、全体像を把握したりすることも可能です。
たとえば従来の美術館ではショーケースなどで保存されている展示品を、まじまじと近くまで行ってみることは不可能ですが、VR美術館であれば可能になるのです。
また通常の美術館であれば、人気のある作品を何度も往復してみることは難しいでしょう。
しかし、VR美術館であれば何度でも見返すことができます。
ハイライト機能などを活用すれば、瞬時にほかの場所へ移動できるため、移動時間も短縮できます。
ネット上にある作品をただ鑑賞するのではなく、実際に歩いているような没入感を楽しめるのもVR美術館の大きな強みといえるでしょう。
高画質な没入型展示
VRの技術は常に進化しており、現在では4Kの高画質で作品の鑑賞が可能です。
拡大してもしっかり細部まで確認できるため、通常の美術館では見逃しがちな筆のタッチや文字なども鑑賞できます。
また立体的な作品は、VR空間内で立体的に再現され、よりリアルな鑑賞体験を提供できます。
今その場にいるかのような体験ができるVR美術館は、新しい発見ができる場所としても重宝されていくでしょう。
タグ機能で説明を追加
VR美術館で活用されるタグ機能とは、作品に関連するキーワードや情報を、小さなラベル(タグ)のように表示する機能のことです。
VR空間内で作品に近づいたり、特定の場所に移動したりすると、その作品に関連するタグが表示され、詳細な情報を得ることができます。
タグ機能で説明として追加できる内容には、以下のようなものがあります。
- 作品名や制作年
- 作品の内容や背景、作者の意図など、作品の説明
- 歴史的背景、美術史的な位置づけ、類似の作品などの関連情報
- 作品に関する音声解説
- 作品制作過程や、作品に関する専門家の解説動画
- 作品に関する更なる情報を、外部ウェブサイトで調べるためのリンク
上記のようにテキストだけではなく、音声や動画によって簡単に情報を収集できます。
そのため興味のある作品について自分で調べなくて済み、より簡単に知識を深められるのです。
好きな作品に深く向き合える
VR美術館では、従来の美術館とは異なる体験ができ、作品と深く向き合うことができます。
作品に近づいて細部まで観察したり、遠ざかって全体を把握したり、自分の好きな距離で作品鑑賞を楽しめたりします。
さらに側面や背面など、あらゆる角度から鑑賞できるのも強みです。
一部のVR美術館では、作品の中に入り込んで、その世界観を体験できるものもあります。
また歴史的な建造物の中を自由に歩き回ったり、宇宙空間を探索したり、時間と空間を超えた体験も可能です。
このように気になるものを自分の好きな時間までゆっくり楽しめるほか、なかなか見られない細部までも堪能できるのは、VR美術館ならではと言えます。
人件費の削減が可能
従来の美術館は、発券や案内係、作品の維持や保管など、さまざまな人件費が発生します。
一方で、VR美術館であれば人件費の削減が可能です。
VR美術館は一度作成すれば、基本人件費がかかりません。
URLを掲載しておくだけで、作品の鑑賞ができるためです。
空間内では、AIによる音声ガイドやチャットボットが来館者の質問に答えたり、展示内容をタグ機能で説明したりすることができます。
さらに、VR空間のためVR内での作品管理なども必要ないほか、場所にかかるコスト、光熱費などもかかりません。
このようにVR美術館は、コストを抑えて作品を展示したいと考えている場合に最適です。
おすすめVR美術館7選
おすすめのVR美術館は、以下の7つです。
- 【岡山県】大原美術館
- 【東京都】森美術館
- 【大阪府】絹谷幸二 天空美術館
- 【フランス】ルーブル美術館
- 【イタリア】ヴァチカン美術館
- Japanese Artistic Creation Museum
- Google Arts & Culture
順番に解説します。
【岡山県】大原美術館
画像引用:大原美術館
岡山県にある大原美術館は西洋美術を中心に取り扱っており、海外の作品も展示されています。
時期によっても異なりますが、モネやエル・グリコ、ピカソなどの有名な画家のほか、陶器や版画なども幅広く展示されているのが特徴です。
美術館全体がVRで鑑賞できるわけではありませんが、一部の展示室をVRで鑑賞できます。
絵画だけでなくブロンズ像なども展示されており、さまざまな角度から鑑賞できるのがポイントです。
VR美術館と合わせて、学芸員の作品解説動画も見れば、作品をより深く堪能できるでしょう。
【東京都】森美術館
画像引用:森美術館
六本木にある森美術館は、新型コロナウイルスの拡大により休館したとき、公開できなかった展示品をVR美術館として展示しています。
マターポートを活用しており「未来と芸術展」を歩いて鑑賞しているかのような没入感を楽しめます。
【大阪府】絹谷幸二 天空美術館
画像引用:絹谷幸二 天空美術館
ほかのVR美術館とは異なり、実際に美術館へ足を運んで鑑賞するタイプのVR美術館です。
幅約14メートル、高さが3メートルもある巨大スクリーンを設置し、メガネをかけて3Dで楽しめます。
そのほか絵画の世界に入り込んだような体験ができ、絹谷幸二の世界を思う存分楽しめるのが特徴です。
画家とつながれるVR映像などもあり、進化した美術館を楽しむことができるでしょう。
【フランス】ルーブル美術館
画像引用:ルーブル美術館
フランス・パリにあるルーブル美術館も、VR美術館を公開しています。
5つの部屋をVRで公開しており、説明も細かく掲載されているためゆっくり海外の雰囲気も堪能できます。
さらに平面図も掲載されているため、自分が今どの場所を観賞しているかもわかりやすいのがポイントです。
なかなか自分では足を運べない海外の美術館でも、気軽に自分のタイミングで楽しめます。
【イタリア】ヴァチカン美術館
画像引用:ヴァチカン美術館
ヴァチカン宮殿のなかを、より細部まで堪能したい方におすすめです。
システィーナ礼拝堂にあるミケランジェロの天井画を、肉眼では見ることのできないほど近くで鑑賞できます。
全部で14つのVR映像を楽しむことができ、美術史の勉強などにも役に立つでしょう。
Japanese Artistic Creation Museum
画像引用:Japanese Artistic Creation Museum
Japanese Artistic Creation Museumは実際にある美術館ではなく、VR上につくり上げた美術館です。
複数のバーチャル部屋があり、日本海外問わずさまざまな作品が展示されています。
また絵画などの美術品をクリックすると、作者や作品名なども掲載されるため、気に入った画家を発見できるかもしれません。
Google Arts & Culture
Google Arts & Cultureは、Googleが提供しているVRプラットフォームです。
世界中の美術館や博物館と連携し、膨大な数の芸術作品をオンラインで公開しています。
ほかのVR美術館と異なり、博物館などもまとめて鑑賞できるといった特徴があります。
80か国以上、2,000を超える文化施設と連携しており、20万件以上の作品が掲載されているため迷ったらGoogle Arts & Cultureで探せばよいでしょう。
アプリもあるため気軽に美術品と触れ合え、気になる画家などを検索すれば一発で作品にたどり着くことが可能です。
また、専門家による音声ガイドが用意されている場合があり、作品について深く学ぶことができます。
VR美術館まとめ|自分のペースで芸術を楽しもう
VR美術館は実際の美術館と異なり、時間や場所を気にせず好きなだけ鑑賞ができます。
また高画質で好きな角度から見ることができるため、新しい発見も可能です。
日本の美術館だけでなく海外の美術作品も無料で鑑賞できるため、実際に足を運べないような遠方の美術館にも探索してみるのがおすすめです。
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