【VR空間基礎知識】メタバースとの違いは?作り方とポイントも解説
バーチャル空間(VR空間)は、エンターテイメントや医療、美術などさまざまな分野で活用されています。
一方で、使用してみたいと感じてはいるものの、どのようなことができるのか分からず作っていなかったり、活用の術が分からず制作パートナーを選べていなかったりする方もいるでしょう。
そこで本記事では、バーチャル空間の基礎知識を分かりやすく解説します。
メタバースとの違いや実際の作り方、ユーザーに楽しんでもらうためのポイントなども解説しているので、ぜひ参考にしてください。
バーチャル空間(VR空間)とは何か
バーチャル空間(VR空間)を一言で説明すると「デジタルで作成した仮想空間」のことです。
VRの活用方法を知る前に、バーチャル空間とはなにかを知っておくべき必要があるでしょう。
本章ではVRとはなにか、バーチャル空間の定義やメタバースとの違いを含め解説します。
VRとは?
VRとはコンピューターで作り出した仮想空間を、現実かのように体験できる技術のことです。
「Virtual Reality」の略で、日本では「仮想現実」と呼ばれることもあります。
一般的には視覚のみを刺激しますが、VRゴーグルなどの機器を使うと、聴覚や視覚なども刺激できてリアルな体験が可能です。
VR技術はエンターテイメントとしても活用されていますが、そのほか医療や教育、建築など幅広い分野で活用されています。
実際に業務などを実施する前のイメージトレーニングとしても活用できるため、今後もより関心が強まっている技術といえるでしょう。
バーチャル空間(VR空間)の定義
バーチャル空間の定義とは「作り出された空間であり、一定の範囲を区切った場所」といえます。
表現方法はさまざまで、 3Dグラフィックス、サウンド、テキストなどを用いて構築していきます。
また見るだけでなく、仮想空間内にあるキャラクターや建物に触れたり、操作したりも可能です。
バーチャル空間(VR空間)とメタバースの違い
バーチャル空間とメタバースはどちらも仮想的な空間ではあるものの、空間の範囲や概念が異なります。
おもな違いは、下表のとおりです。
バーチャル空間 | メタバース | |
定義 | 現実世界とは異なる仮想的な空間 | VR技術を発展させ仮想社会となる空間 |
ユーザー | 単独または少人数 | 多数のユーザー |
特徴 | ・3Dグラフィックスが利用されやすい ・ゲーム、シミュレーション、VR体験など用途はさまざま | ・同時にアクセスし交流できる ・仮想経済が形成され、経済活動が実施されている ・VRだけでなくMRやARも用いられる |
範囲 | 特定の目的や体験に特化した空間として用いられる | 広範囲 |
分かりやすい例えで言うと、バーチャル空間は室内など狭い範囲での仮想空間です。
一方でメタバースは、都市や世界など大きなくくりだと考えるとよいでしょう。
バーチャル空間(VR空間)でできること
バーチャル空間でできることは、以下の3点です。
- 没入感のある体験
- コミュニケーション
- イメージの具体化リスト
順番に解説します。
没入感のある体験
できることの一つ目は、まるで現実世界にいるかのような没入感ある体験が可能です。
VRゴーグルを活用すれば、よりリアルな経験ができるでしょう。
360度の視界が展開されているのが特徴で、画質を良くして映像も滑らかであれば臨場感も高まり、実際にその場にいるかのような錯覚に陥ります。
また、音の距離や自然な音を再現でき、ユーザー同士で音声のやり取りも可能です。
振動や圧などの体感と視覚的な体験を組み合わせて、実際に触っているような感覚も実現できます。
このように現実世界ではないものの、実際にその場にいるかのような没入感を体験できます。
コミュニケーション
現実世界とは異なり、実際の距離を感じずにコミュニケーションができるのも特徴です。
インターネット上での空間のため、コンサートや大勢での会議、イベントなど、さまざまな場面を全世界の人対象に実施することもできます。
またアバターなどを活用し匿名での参加もできるため、自由に自己表現ができるのも大きな強みといえるでしょう。
このようにコミュニケーションがしやすい空間のため、エンターテイメントとしてはもちろんのこと、ビジネスや教育などでも活用しやすいのが強みです。
イメージの具体化
イメージを具体化したいときにも、非常に便利です。
実際には作れないようなものであっても「やってみたいこと」や「できるかもしれない」といった可能性を形に再現できます。
例えば映画や小説、漫画などで見られる世界観を作ったり、実際に作成したキャラクターを3Dで動かしたりできます。
そのほか、思いついたアイデアを可視化することにも特化しています。
スケッチではイメージしにくいものであっても、複雑な構造を作成でき、立体モデルとして活用できます。
実物を作成する前に、シミュレーションとして確認することもできるでしょう。
このように、実際にイメージしたものを作成したり体験したりできます。
バーチャル空間(VR空間)の作り方
バーチャル空間は、バーチャル空間作成プラットホームと呼ばれるツールで作成する方法や3DCGで作る方法など、さまざまあります。
その中でも今回は、現実空間を取り込める、360度カメラを使ったやり方を紹介します。
【STEP1】どんなバーチャル空間にしたいかを明確にする
360度カメラで撮影をする前に、どのような空間を作りたいのか明確にすることが大切です。
体験してほしいのであればVR体験、空間を記録しておきたいのであれば記録映像など、どのような空間を提供したいのかによって撮影ポイントや編集方法が異なってくるためです。
ターゲット層やユーザーに、どのようなものを見てもらいたいのか、体験してほしい内容を検討しましょう。
通常の映像に比べ情報量が増えるため、ユーザー視点にたってリアルな体験ができるのか考えなければなりません。
構成をあらかじめ検討し明確化しておくことで、よりユーザーに適した空間の作成がしやすくなります。
【STEP2】360度カメラでの撮影
目的やシナリオが明確化されたら、360度カメラで撮影をしていきます。
撮影方式はカメラによって異なりますが、VR動画専門カメラなども販売しています。
より繊細でリアルな映像を提供したいのであれば、画質がよいカメラを選ぶようにしましょう。
撮影時は、影ができないよう明るさを維持し、必要であれば補助光も検討します。
また撮影時は、三脚を利用して撮影していくとよいでしょう。
【STEP3】データのアップロード
360度カメラで撮影後、編集を行いデータのアップロードをします。
編集は、専用ソフトを使用するのが一般的です。
撮影した映像をつなぎ合わせ、明るさなどを調節していきます。
またこの際、カメラマンなどのスタッフや三脚などが映っていれば消す作業も必要です。
ユーザーに知ってほしい情報があれば、テキストや矢印なども挿入していきましょう。
データの編集が終わったら、アップロードをしていきます。
アップロードの前準備として、VRヘッドセットで使えるようにVR用の動画に変換作業が必要です。
変換が終わったら、サイズを調節してアップロードしましょう。
【STEP4】アップデートと保守管理
バーチャル空間は、作って終わりではありません。
常に最新の状態にする必要があるため、適宜アップデートをしていきましょう。
例えば古い情報のままであれば更新したり、ユーザーが飽きないようにするためにイベントや四季などを取り入れたりしてもよいでしょう。
また不具合がおきないよう、定期的にエラーチェックをすることも大切です。
バックアップはもちろんのこと、ユーザーが安心して使えるようセキュリティも強化しておくようにしましょう。
快適なバーチャル空間を生み出すための必要ツール
バーチャル空間を最適な状態にするためには、いくつか必要なツールがあります。
ここからは、バーチャル空間で必要なツールを4つ紹介します。
ヘッドセット・トラッキング
バーチャル空間に没入するためには、ヘッドセット・トラッキングは欠かせません。
ヘッドセットにはセンサーがついており、ユーザーの動きに合わせて視点を変えられるVRトラッキングという技術が備わっています。
トラッキングの種類は、3DoFと6DoFがあり感知する範囲が異なります。
3DoFは頭の回転や傾きを感知し連動するもので、6DoFは頭の回転だけでなく体の動きも感知してくれるのです。
トラッキングの精度が高ければ高いほど、よりリアルな動きになり没入感が増します。
ただし安価なものから高価なものまでさまざまなので、予算に合わせたものを選ぶとよいでしょう。
ヘッドセットは、種類が豊富なため自身に適しているものを用意しましょう。
Oculus Quest 2などは、ヘッドセット内にCPUが備わっており、パソコンが不要なタイプです。
そのほか、HTC Viveなどパソコンに接続して使用するものなど、ヘッドセットによって特徴や使い方が異なります。
利用シーンに合わせたヘッドセットを用意することで、より使い勝手もよくなるでしょう。
コントローラー
バーチャル空間で映像を楽しむためだけであれば不要ですが、コントローラーがあれば簡単に物をつかんだり投げたりできるようになります。
そのほかメニューの選択として利用でき、アクションをボタンで決定するときにも使います。
コントローラーの形状は商品によってさまざまで、グローブタイプもあればリモコンのような形状のタイプなどもあります。
購入する際は、バーチャル空間の内容に合わせて、コントローラーの種類を選ぶことが大切です。
直感的に操作ができ、ヘッドセットと互換性があるものを選ぶようにしましょう。
モーションコントロール
モーションコントロールとは、ヘッドセットやコントローラーなどについており、実際の手や体の動きと同じようにバーチャル空間内で動かせる機能です。
ゲームなどで剣や銃をうまく動かしたり、コミュニケーションなどにも使用できたりします。
より繊細な動きをしたい場合は、モーションキャプチャなどを活用すれば医療など繊細な技術が必要な場面でも利用できます。
音響
臨場感をだすためには、よりリアルな音をだすための音響も重要です。
視覚だけでなく聴覚を刺激することで、よりリアルな空間を作れます。
例えば音によって距離などを意識できたり、3D映像に合わせた環境音などを入れて現実世界を再現したりできます。
音に立体感をだすためには、3Dオーディオなどを取り入れてみるとよいでしょう。
バーチャル空間を楽しんでもらうためには
ユーザーにバーチャル空間を楽しんでもらうためには、2つの注意点があります。
- ユーザーが混乱すると離脱に繋がる
- 目的や順路を提示して飽きさせない工夫が必要リスト
順番に解説します。
ユーザーが混乱すると離脱に繋がる
ユーザーが混乱すると離脱に繋がるため、一貫性のある世界観を構築することが大切です。
通常の映像や画像に比べると、バーチャル空間はどうしても情報が多くなりやすいといった特徴があります。
情報が多くなればなるほど、ユーザーがなにをすれば良いのか分からないといった混乱を招く可能性があるでしょう。
そのためユーザーが混乱しないよう、ユーザーファーストの操作性やシンプルさを追及することが大切です。
また仮想空間だからできることもありますが、現実世界ではありえない動きが唐突に現れると違和感があるでしょう。
動きを自然に見せるのはもちろんのこと、バグなどが起きないようテストを定期的に行うことも大切です。
目的や順路を提示して飽きさせない工夫が必要
ユーザーがバーチャル空間を活用するにあたって、明確な目的がなければすぐ飽きてしまいます。
そのため、ユーザーが次になにをすればよいのか明確な目的を設定し継続し続ける意欲をつくることが大切です。
目的は、ユーザー全員が同じというわけではありません。
興味が沸く内容はユーザーによっても異なるため、それぞれのユーザーに対応できる目的を作るようにしましょう。
また順路の提示がなければ、どこに向かえばよいか分からず、ただやみくもに歩くことになりかねません。
そのため、目的に合わせた順路の提示をしていき、ユーザーが楽しめる仕組みをつくることが大切です。
バーチャル空間を作成にはパートナー選びが大切
バーチャル空間の作成には、VRの知識が必要です。
自社や個人で展開することも可能ではありますが、機材を揃えたり作成に置ける時間的コストなど考えたりしなければなりません。
そのため知見がない場合は、自社の目的にあったパートナー選びが必要です。
ここからは、パートナー選びをする際に気を付けるべき点を解説します。
バーチャル空間の作成を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
どんなバーチャル空間にしたいかを明確に
バーチャル空間と一言でいっても、さまざまな用途で使用できます。
そのため、どのようなバーチャル空間を検討しているのか、目的やゴールを明確にすることが大切です。
明確なビジョンが決まっていなければ、パートナーとの認識の齟齬が生まれたり適切なパートナーを見つけられなかったりします。
どのようなバーチャル空間にしたいのか明確なビジョンを決定することで、パートナーとの共通認識がもて協力しやすくなるだけでなく、最適なパートナーの選定が可能です。
サポートの範囲は要確認
サポートをしてくれる委託業者によって、サポートの範囲は大きく異なります。
開発や撮影、制作、保守、データ活用など、どこまでをサポートしてくれるのか、しっかり確認をしておきましょう。
自社で対応しなければならない範囲がどこからなのかを知っておかなければ、トラブルになりかねません。
自社で提供したいバーチャル空間に対して、サポートがマッチングしているかをしっかり検討することが大切です。
LPの力でバーチャル空間の活用をフルサポート
バーチャル空間を作成しても、うまく活用しきれずユーザーの離脱に陥る可能性もあるでしょう。
またバーチャル空間を作成したものの、うまく活用できないままになっており、魅力的な空間を提供しきれずになっていませんか?
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